直方の秋は暮れ行く
とびうめオールスターズ。
去年ののおがたジャズフェスタ出演を
きっかけで始まったバンドだという。
最初はかなり前に話題になった
”グレン・ミラーを演奏する小学生バンド”
のようなものか想像していた。
しかし、現実は想像をはるかに超えていた。
中学1年生から高校3年生の男子4名、女子1名
の構成で、大人に混じっての登場だ。
選曲は「Cジャム・ブルース」「ミスティー」
「枯葉」「ヤードバード組曲」でオーソドックス
だが通好みともいえる。
大人でもこんなには自由に吹きこなせない
だろうというぐらい滑らかに演奏する。
会場も驚きを隠せず、演奏が進むに
つれて拍手が増えてくる。
ゲストの日野皓正氏も、
「自分の同じくらいの年の頃はこんなにも
吹けなかった。」と感心していた。
聞けば田部俊彦氏が指導しているという。
このまま情熱を忘れずに続けていって
ほしいものだ。
つづく「たろばん」というバンドは九州大学
軽音楽部ジャズ研究会在籍中のメンバーと
言うことで、リーダー以外入れ替わりが
あるらしいが、本格的にモダン・ジャズを演奏
していて、各地をライブで回っているらしい。
最近は古いモダン・ジャズばかり聞いているので、
今の志向に一番合っていたバンドかもしれない。
結構のって聞くことができた。
そしてついにゲストの日野皓正氏の登場である。
抜けのいい明るいトランペットの第一音からグッと
耳を引き寄せられる。やはりアマチュアとは音量が
かなり違う。
演奏は明確にこういう曲ということができない、
フリー・フォームで始まった。11月5日に新アルバム
が出るらしくて、その収録曲をやっていると語って
いた。同じ日野氏の音楽でもその時々で内容が
異なる。フュージョンをやっていたり、スタンダード
をやっていたり、今回はフリーである。
プロでも同じ演奏形態をずっとやっている人もいるが、
日野氏は変幻自在である。
それが一流のジャズ・プレイヤーの証拠だろう。
日野氏と他のバンドの出演者が集って、
アドリブ合戦が始まった。
曲はキャノンボール・アダレイの「マーシー・
マーシー・マーシー」である。ああ、やっと曲らしい曲
になって正直安心した。人間げんきんなもので、知っている
曲の方が落ち着くし、ノリも違ってくる。大トリがこの曲で
良かった。
そして演奏は拍手とスタンディング・オベーションと
ともに終幕した。
みんな足早に帰る。
直方の人ばかりかと思ったら、駅にみなゾロゾロに向かって
いく。駅のホームが人であふれる。駅前の風景からして、
いつもはこんなに人だかりはできないのかもしれないと
思った。
楽しい時間はすぐ過ぎる。4時間もにわたるコンサートが
あっという間のようだった。
(おわり)
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