ロッキーの大復活!!
ロッキーと聞いてシルベスター・スタローンのことを
思い浮かべる人が多いだろう。
でも今回取り上げる”ロッキー”とは、テーマソングの方で、
それをカバーして大ヒットさせたメイナード・ファーガソン
のことである。
残念なことに近年メイナードファーガソンは亡くなった
ので、もう”ロッキーのテーマ”「ゴナ・フライ・ナウ」
は聞けないと思っていた。
以前北九州の小倉にホールにファーガソンが来た
時、そのコンサートに行くことができた。
熱望していたビッグ・バンドではなくコンボでの来日
だったが、観客を熱狂の渦の中に巻き込んだ。その中
でも”ロッキーのテーマ”が始まると、拍手と熱が一層
高まったと覚えている。
それが、ラッセ・リンドグレンと巨大星雲ビッグ・バンド
の手によってよみがえったのだ!
全曲ファーガソンのレパートリーのアルバム「金管王」
によって。あの時の興奮が再び戻ってきた。
世の中のトリビュート・アルバムの多くはただその人の
ヒット曲を集めただけのものが多い。最近ではそれに有名な
ミュージシャンをあてはめた、いかにも商業的なものが
はびこっているような気がする。
全部悪いとは言わないが。
このアルバムがそれらと違うのは、「バードランド」「エアジン」
といったヒット曲のみでなく、いろいろなアルバムの中に入って
いる曲をチョイスしていることだろう。
そしてリーダーのラッセ・リンドグレンのまるで
ファーガソンが乗り移ったかのようなフレーズ、ハイ・ノート
(オクターブの高い音)に”ファーガソンのスピリッツ”を
感じるのだ。ファンなら一気に超高音まで高速で駆け上がる
フレーズに、
「おおっ、これだ!」と興奮するだろう。
このアルバムに魂を吹き込んでいる存在がもう1つある。
それはラッセ・リンドグレンと共同でこのアルバムを
プロデュースしたアーニー・ガーサイドから渡された
”トランペット”である。
昔ファーガソンのマネージャーをしていたことのある
アーニー・ガーサイドが、実際にファーガソンが
使っていた”トランペット”をラッセ・リンドグレンに
このアルバムのために渡した逸話は、アルバムのライナー
ノートに書かれているが、このトランペットから発する音が
”ファーガソンらしさ”を増幅していることは間違いない
だろう。
ファーガソン・ファンにも、ファーガソンを知らない人たちにも
聞いて欲しい、「金管王」といううタイトルにふさわしい
エキサイティングなアルバムだ。
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