「ニカの夢」三番勝負!その1
たまには曲の方に焦点をあててみよう。
それも特定の1曲に絞って聞き比べると、
それぞれのバンドの特色が出て面白い
じゃないだろうか。
今回は「ニカの夢」を演奏したビッグ・バンド
を3回に分けて紹介しよう。それぞれにカラー
が違っているので、興味があったら聞いてほしい。
その前に曲の紹介をしよう。
1960年にファンキー・ジャズの父、ホレス・シルバー
が”ニカ男爵夫人”に捧げて作曲したもの。この
”ニカ男爵夫人”はジャズに貢献した有名な
パトロンで、この人がいなかったら、チャーリー・
パーカーもセロニアス・モンクもいなかったといえる。
ホレス・シルバー本人による演奏や、アート・
ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズによる演奏
も有名である。
1枚目はペーター・ヘルボルツァイマー「ワイド・
オープン」から。彼のオーケストラ”リズム・コンビ
ネーション&ブラス”が演奏したものだ。
まだ小倉にタワー・レコードがある頃に、ユニークで
目をひくイラストのジャケットと、「ニカの夢」を
ビッグ・バンドが取り上げていることで買ったものだ。
リーダーはトロンボーンのペーター・ヘルボルツァイマーで、彼の率いる”リズム・コンビネーション&ブラス”はほぼヨーロッパ出身者によるオーケストラだ。他に
ジャズをよく聞く人にはなじみの深い、アート・ファーマー
(トランペット)やハーブ・ゲラー(サックス各種)、ニールス・ペデルセン(ベース)などのプレイヤーも参加している。1973年の録音で、CDで発売されるまで、かなりレアな音源だったらしい。
同じくヨーロッパで活躍して日本でも有名な、
ケニー・クラーク=フランシー・ボーラン・ビッグ・
バンドに似た流麗で音の厚いアンサンブルを披露して
いるが、他のビッグ・バンドと似て非なるものは、
中音域から低音域を基本としたどっしりとした音作りで、
けっして鈍重な感じではなく、よくスウィングするので
聞いているうちにドライブ感が増していく。
さらに、ピアノではなくオルガン、エレクトリック・ピアノ
を使っているので、サウンドがよりソウルフルなムードに
包まれている。
このビッグ・バンドの演奏する”ニカの夢”は、
メロディー部分にフルートを起用しているので、
ダイナミックさに加えて繊細さも表現できている。
ここではオルガンでなくエレクトリック・ピアノや
エレキ・ギターを使うことによって、オリジナルより
70年的なエレクトリック・サウンドを加味したところが
特長だ。ブラス・ロック的でハイ・テンポなアンサンブル
とのバランスが取れていて絶妙である。
パワフルなサックスのアドリブとバックから盛り上げる
他の楽器パートの掛け合いも興奮ものだ。
他にもバラエティに富んだ曲調のものばかりなので、
ぜひとも聞いてほしい。
日本盤でも発売されているので、手に入りやすいと思う。
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